照明計画資料
屋内作業場照明
工場照明の目的は次に示す照明環境を提供することです。
また近年では、オゾン層の破壊による地球温暖化問題など環境負荷への軽減策として、CO2削減・省エネルギーが強く求められています。
工場の照明計画を行うとき、検討すべき主な項目は次の通りです。
照明方式は昼光を用いる場合と人工光を用いる場合があります。
自然光の利用にあたっては、人工照明との兼ね合いにもよりますが、次の点に注意しなければなりません。
採光の方法は、窓の位置により図7.1のような種類があります。

図7.1 工場の採光方法
人工照明の方式は次の3つがあります。
全般照明は、作業場全体が明るくなるように、照明器具を一様に分散して取りつける基本的な照明手法です。
局部全般照明は、全般照明された作業場においてある程度広い範囲の一部をさらに高照度にするための照明手法です。
ある局所のみを高照度にするために、特にその場所に照明器具を密集させたり、スタンド利用したりする照明方式です。
JIS Z 9110 (照度基準)に記載されている照度基準を表7.1に示します。
表7.1 照度基準

(参考文献:JIS Z 9110 財) 日本規格協会)
工場の構内には大小の道路があり、資材の搬入、製品の搬出、従業員の通行で大きな役割を果たしています。したがって道路にも照明を施し、事故防止や犯罪防止に留意する必要があります。
照明方式は、主要道路は一般の交通道路灯が使用されますが、工場の建物を利用して、ブラケット灯や投光照明によって照明されている場合もあります。どの方式によるにしても建物やその他の設備との調和がとれているかどうかを考える必要があります。照度については、次のようになります。
| 歩行者交通が少ない場所 | 5(ℓx) |
|---|---|
| 歩行者交通が少ない場所 | 10(ℓx) |
| 最高10km/hの低速交通 | 10(ℓx) |
| 通常の交通 | 20(ℓx) |
| 通行人があり自動車の切り替え又は、荷物の積み込み、積み下ろしがある区域 | 50(ℓx) |
製鉄、大形機械工場などは、作業、設備の関係から天井が高くなります。大容量の光源で灯数を少なくした方が、保守および費用の点で有利になることと作業面に有効に光を集中するには、集光性の良い照明器具が必要になることから、セラミックメタルハライドランプや高圧ナトリウムランプが多く用いられます。なお高天井になるほど、集光性セードが適し、中天井では中照形、高照形セードが適します。
天井の低い作業場の照明には、蛍光ランプが最も多く用いられますが、特に天井の低い所、グレアが嫌われる所では、カバー付の埋込形および直射器具が用いられます。
なお、作業場全体を明るくするこの方式は、あらゆる場所に適合し、照明として最も自然で対象物の見え方も良好です。しかし、全般照明で精度の高い作業の必要照度を得ることは設備費・電力費が高くなり不経済です。このため必要な部分には、局部照明を併用して照明費を下げるのが一般的です。
工場では作業の種類により特殊な環境となる場所があります。その場合は、次のような検討が必要になる場合があります。
照明施設における保守とは、ランプの交換およびランプ、照明器具の清掃等をいいます。ランプ自体には、時間の経過につれて減光していく特性があり、その上に工場内のほこりや汚れが、照明器具やランプに付着して、透過率や反射率の低下が起こります。このような状態のまま放置すると、効率のよい照明は得られず不経済となります。さらに作業能率の低下をもたらし、場合によっては工場の機能に支障をきたす事にもなります。したがって明るさを維持するために、適正な時期のランプ交換と定期的な清掃を行う必要があります。保守を考慮して電動昇降装置などを導入するのもよいでしょう。
照明設計は、次の手順で行われます。
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ここで
| Kr | 室指数 |
|---|---|
| X | 間口(m) |
| Y | 奥行き(m) |
| H | 作業面から照明器具までの高さ(m) |
表7.2 照明率表の例
| 反射率(%) REFLECTANCE |
天井 | 80 | 70 | 50 | 30 | 0 | ||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 壁 | 70 | 50 | 30 | 70 | 50 | 30 | 70 | 50 | 30 | 70 | 50 | 30 | 0 | |
| 床 | 10 | 10 | 10 | 10 | 0 | |||||||||
|
器具形式 光源形式 室指数(Kr)
BZ 2 最大器具取付間隔 |
0.60 | 56 | 48 | 44 | 55 | 48 | 73 | 54 | 47 | 43 | 52 | 47 | 43 | 39 |
| 0.80 | 64 | 57 | 53 | 63 | 57 | 52 | 61 | 56 | 52 | 59 | 55 | 51 | 47 | |
| 1.00 | 69 | 64 | 59 | 68 | 63 | 59 | 66 | 62 | 58 | 65 | 61 | 58 | 54 | |
| 1.25 | 73 | 67 | 64 | 72 | 67 | 63 | 70 | 66 | 62 | 68 | 64 | 62 | 58 | |
| 1.50 | 76 | 71 | 68 | 75 | 70 | 67 | 73 | 69 | 66 | 71 | 68 | 66 | 62 | |
| 2.00 | 79 | 75 | 72 | 78 | 74 | 72 | 76 | 73 | 71 | 74 | 72 | 70 | 66 | |
| 2.50 | 80 | 78 | 75 | 79 | 77 | 74 | 77 | 75 | 73 | 76 | 74 | 72 | 69 | |
| 3.00 | 82 | 79 | 77 | 81 | 78 | 76 | 79 | 77 | 75 | 77 | 75 | 74 | 71 | |
| 4.00 | 83 | 81 | 79 | 82 | 80 | 79 | 80 | 79 | 77 | 78 | 77 | 76 | 73 | |
| 5.00 | 84 | 82 | 81 | 83 | 82 | 80 | 81 | 80 | 79 | 79 | 78 | 77 | 74 | |
| 7.00 | 85 | 84 | 83 | 84 | 83 | 82 | 82 | 81 | 80 | 80 | 79 | 79 | 76 | |
| 10.00 | 86 | 85 | 84 | 85 | 84 | 83 | 83 | 82 | 81 | 81 | 80 | 80 | 77 | |
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ここで
| N | 所要ランプ数 |
|---|---|
| A | 室面積(m²) |
| E | 所要照度(ℓx) |
| F | ランプ光束(ℓm) |
| U | 照明率 |
| M | 保守率 |
計算例を示します。
| a.作業内容 | 特に定めません。 |
|---|---|
| b.所要照度 | 300(ℓx)(床面) |
| c.床面積 | 30mx60m=1800(m²) |
| d.天井高さ(H) | 9(m) |
| e.室内反射率 | 天井30(%)、壁30(%)、床10(%) |
| h.器具 | 表7.2を参照 |
| i.光源 | 表7.2を参照(19800(ℓm)) |
| j.保守率(M) | 0.7 |
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室指数の計算結果および表7.2より、U=0.708
(式-2)より所要灯数を求める。
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以上より器具の配置は、図7.2のように6×10=60台の全般照明とします。またこの時の照度は以下のようになります。
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図7.2 照明器具の配置例
器具取付間隔と表7.2の最大器具取付間隔を比較すると
最大取付間隔 6<1.4H=1.4*9=12.6
壁と器具の距離 3<1.4H=1.4*9*1/2=6.3
以上より問題ありません。
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