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爆発性ガスに対する安全の確保

「工場電気設備防爆指針(ガス蒸気防爆2006)」および「国際規格に整合した技術的基準対応2008」では、電気設備の防爆を考える際に、温度限度などについて、次のような分類をしています。どちらに準拠しても良いのですが、設置場所の危険雰囲気を生成する爆発性ガスの危険性に従い、安全サイドになるように機器を選ぶ必要があります。

1. 工場電気設備防爆指針(ガス蒸気防爆2006)

表12.1 爆発性ガスの発火温度による分類
発火度 発火温度
G1 450℃を超えるもの
G2 300℃を超え450℃以下のもの
G3 200℃を超え300℃以下のもの
G4 135℃を超え200℃以下のもの
G5 100℃を超え135℃以下のもの

(参考文献:工場電気設備防爆指針(ガス蒸気防爆2006))

表12.2 爆発等級
爆発等級 スキの奥行25mmにおいて火炎逸走を生ずるスキの最小値
1 0.6mmを超えるもの
2 0.4mmを超え0.6mm以下のもの
3 0.4mm以下のもの

(参考文献:工場電気設備防爆指針(ガス蒸気防爆2006))

表12.3 電気機器の爆発性ガスに対する温度上昇限度(℃)

発火度 G1 G2 G3 G4 G5
温度上昇度 320 200 120 70 40

(参考文献:工場電気設備防爆指針(ガス蒸気防爆2006))

  • ※注:温度上昇限度値はそれぞれの発火度に対応する発火温度の加減値の約80%から基準周囲温度40℃を差し引いた値。

2. 国際規格に整合した技術的基準2008対応

表12.4 ガス、又は蒸気の分類

耐圧防爆構造の電気機器の対象とされるガス又は蒸気の分類

ガス又は蒸気の最大安全隙間の範囲 ガス又は蒸気の分類
0.9mm以上 ⅡA
0.5mmを超え、0.9mm未満 ⅡB
0.5mm以下 ⅡC

(参考文献:ユーザーのための工場防爆設備ガイド2012)

本質安全防爆構造の電気機器の対象とされるガス又は蒸気の分類

ガス又は蒸気の最小点電流比の範囲 ガス又は蒸気の分類
0.8を超える ⅡA
0.45以上、0.8以下 ⅡB
0.45未満 ⅡC
  • ※注:最小点火電流比はメタンの最小点火電流を基準として示されています。

(参考文献:ユーザーのための工場防爆設備ガイド2012)

表12.5 電気機器の最高表面温度に対する温度等級(℃)

温度等級 T1 T2 T3 T4 T5 T6
最高表面温度 450 300 200 135 100 85
  • ※注:電気機器の最高表面度は基準周囲温度40℃を含む。

(参考文献:工場電気設備防爆指針 国際規格に整合した技術的基準2008)


表12.6 爆発性ガスの分類の一例

構造規格[爆発性ガスの爆発等級と発火度]

  発火度/発火温度による分類
450℃超過
300℃超過
450℃以下
200℃超過
300℃以下
135℃超過
200℃以下
100℃超過
135℃以下
G1 G2 G3 G4 G5
爆発等級/火炎逸走限界による分類 0.6mm超過 1
  • アセトン
  • アンモニア
  • 一酸化炭素
  • エタン
  • 酢酸
  • 酢酸エテル
  • トルエン
  • プロパン
  • ベンゼン
  • メタノール
  • メタン
  • 工タノール
  • 酢酸イソベンチル
  • 1-ブタノール
  • ブタン
  • ガソリン
  • ヘキサン
  • アセトアルデヒド
 
0.4mm超過
0.6mm以下
2  
  • エチレン
  • エテレンオキシド
     
0.4mm以下 3a
  • 水性ガス・水素
       
3b          
3c  
  • アセチレン
     

国際整合防爆指針(技術的基準)[防爆電気機器のグループ及び温度等級と対応する爆発性ガス]

  爆発性ガスの発火温度/温度等級
450℃超過
300℃超過
450℃以下
200℃超過
300℃以下
135℃超過
200℃以下
100℃超過
135℃以下
80℃超過
100℃以下
T1 T2 T3 T4 T5 T6
防爆電気機器のグルⅡA
  • アセトン
  • アンモニア
  • エタン
  • 塩化イソプロピル
  • シクロプロパン
  • 酢酸
  • 酢酸エテル
  • スチレン
  • トルエン
  • プロパン
  • メタン
  • プロピレン
  • エチルベンゼン
  • 塩化アセチル
  • 塩化ビニル
  • o-キシレン
  • 酢酸ビニル
  • 酢酸ブチル
  • 酢酸プロピル
  • シクロペンタン
  • 1-ブタノール
  • ブタン
  • プロピルアミン
  • プロパン
  • メタノール
  • メタクリル酸メチル
  • エチルシクロヘキサン
  • エチルシクロペンタン
  • 塩化ブチル
  • オクタン
  • シクロヘキサノール
  • シクロヘキサン
  • デカン
  • ヘキサン
  • ヘプタン
  • ペンタン
  • メチルシクロヘキサン
  • 石油ナフサ
  • テレビン油
  • アセトアルデヒド
  • 亜硝酸エチル
ⅡB
  • アクリル酸メチル
  • アクリロニトリル
  • 一酸化炭素
  • シアン化水素
  • アクリル酸エチル
  • エチレン
  • エチレンオキシド
  • 1,3-ブタジエン
  • フラン
  • アクリルアルデヒド
  • クロトンアルデヒド
  • ジメチルエーテル
  • テトラヒドロフラン
  • エチルメチルエーテル
  • ジエチルエーテル
  • ジプチルエーテル
ⅡC
  • 水素
  • アセチレン
  • 二硫化炭素

表12.7 可燃性物質の危険特性値及び電気機器の防爆構造に対する分類

物質 引火点(℃) 発火温度(℃) 爆発限界(vol%) 蒸気密度(空気=1) 電気機器の防爆構造に対応する分類
構造規格 国際整合防爆指針
下限 上限 爆発等級 発火度 グループ 温度等級
アセチレン   305 2.3 100 0.9 3 G2 ⅡC T2
アセトアルデヒド -38 155 4 60 1.5 1 G4 ⅡA T4
アセトン -20 539 2.5 14.3
100℃
2.0 1 G1 ⅡA T1
アンモニア   651 16 25 0.6 1 G1 ⅡA T1
一酸化炭素   609 12.5 74 1.0 1 G1 ⅡB T1
エタノール 12 400 3.1 19 1.6 1 G2 ⅡB T2
エタン   515 2.4 15.5 1.0 1 G1 ⅡA T1
エチルメチルケトン -10 404 1.5
93℃
13.4
93℃
2.5 1 G2 ⅡB T2
エチレン   440 2.3 36 1.0 2 G2 ⅡB T2
エチレンオキシド   429 2.6 100 1.5 2 G2 ⅡB T2
オクタン 13 206 0.8 6.5 3.9 1 G3 ⅡA T3
o-キシレン 30 470 1 7.6 3.7 1 G1 ⅡA T2
ガソリン -43 257.2 1.4 7.6 3〜4 1 G3    
酢酸エチル -4.0 470 2 12.8 3.0 1 G1 ⅡA T1
酢酸ブチル 22 425 1.7 7.6 4.0 1 G2 ⅡA T2
酢酸プロピル 10 430 1.7
38℃
8 3.5 1 G2 ⅡA T2
酢酸メチル -10 505 3.1 16 2.6 1 G1 ⅡA T2
シクロヘキサノン 43 419 1.3
100℃
9.4 3.4 1 G2 ⅡA T2
シクロヘキサン -17 245 1.3 8.3 2.9 1 G3 ⅡA T3
水素   560 4 75 0.1 3 G1 ⅡC T1
スチレン 30 490 1 8 3.6 1 G1 ⅡA T1
デカン 46 235 0.7 5.6 4.9 1 G3 ⅡA T3
トルエン 4 530 1 7.8 3.1 1 G1 ⅡA T1
二硫化炭素 -30 90 0.6 60 2.6 3   ⅡC T6
1.3-ブタジエン   420 1.4 16.3 1.9 2 G2 ⅡB T2
1-ブタノール 35 343 1.4 12 2.6 1 G2 ⅡA T2
ブタン   372 1.4 9.3 2.0 1 G2 ⅡA T2
プロパン   450 1.7 10.9 1.6 1 G1 ⅡA T2
ヘキサン -22 223 1.1 7.5 3.0 1 G3 ⅡA T3
ヘプタン -7 204 1.1 6.7 3.5 1 G3 ⅡA T3
ベンゼン -11 498 1.2 8.6 2.7 1 G1 ⅡA T1
1-ペンタノール 42 320 1.06
100℃
10.5 3.0 1 G2 ⅡA T2
ペンタン -40 280 1.4 7.8 2.5 1 G3 ⅡA T3
メタノール 9 440 6 36 1.1 1 G1 ⅡA T2
メタン   600 5 15 0.6 1 G1 ⅡA T1
  • 注) 可燃性ガス蒸気の「危険特性値」及び「電気機器の防爆構造に対応する分類」を示す。この資料は、電気技術者が危険場所を分類し、十分な防爆性能をもった防爆電気機器を選定するための基礎資料として編集したものである。
    引火点、爆発限界及び蒸気密度は、爆発性雰囲気の生成に関連する危険特性であり、発火温度、MESG(最大安全すぎま)及びMIC比(メタンを1とする最小点火電流比)は、電気機器の防爆構造に関連する危険特性である。また、爆発下限界及び沸点は、タイプn防爆構造の呼吸制限容器(Ex nR)における呼吸制限係数の計算に用いられる。
    なお、引火点、爆発限界及び発火温度は、多くの文献に掲載されており、文献によって多少相違するが、この表ではIEC60079-20-1の記載内容のうち主要な物をほぼそのまま採用している。また、国際生業防爆指針における分類の「グループ」及び「温度等級」における記号の一部は、測定データによらず物質の化学的類似性等から推定したものも含まれている。
    利用に当たっては、上述のことを理解した上、活用されるか、ご自身で確認して活用されることを望む。

(参考文献 産業安全研究所技術指針 ユーザーのための工場防爆設備ガイド(ガス防爆2012))

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