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照明技術資料

照明計画資料

防災照明

誘導灯

(1)誘導灯とは

誘導灯とは、避難を容易にするために避難口や避難方向を指示するための照明設備のことであり、普段は常用電源により点灯し、火災時等による断線や停電などの非常時には自動的に非常電源に切替わり、暗闇でも十分その効果を発揮します。
誘導灯は「消防法施行令第26条」と各地方自治体の火災予防条例などによって、劇場・旅館などの人の多く集まる場所に設置が義務づけられています。

(2)関連法規および規格

2.1 法規

消防法(昭和23年、法律第186号)
政令消防法施行令(昭和36年、政令第37号)
省令消防法施行規則(昭和36年、自治省令第6号)
告示消防庁告示
通達消防庁通達
条例準則火災予防条例準則(昭和36年11月22日自消甲予発第73号消防庁長官通達)
建基法建築基準法(昭和25年、法律第201号)
建基政令建築基準法施行令(昭和25年、政令第338号)

2.2 規格等

  • JIL5501(非常用照明器具技術基準)
  • JIL5502(誘導灯器具および避難誘導システム用装置基準)
  • JIL5505(積極避難誘導システム技術基準)
  • JIL技術資料123(誘導等器具及び非常用照明器具の保守・点検方法)
  • JIL技術資料125(誘導灯器具および避難誘導システム用装置技術基準細則)
  • JIL技術資料126(誘導灯器具および避難誘導システム用装置試験細則)

(3)誘導灯の区分

誘導灯は、「避難口誘導灯」と「通路誘導灯」の2種類に分けられます(表11.1)。

表11.1 誘導灯の区分

用途による区分 法令区分 設定による区分 光輝度誘導灯 従来の誘導灯

避難口誘導灯

A級 A級 40形 大形(40W×2)
B級 B級BH形 20A形 特殊大形(40・35・32W×1)
B級BL形 20B形 中形(20W×1)
C級 C級 10形 小形(10W×1)

通路誘導灯

A級 A級 40形 大形(40W×2)
B級 B級BH形 20A形 特殊大形(40・35・32W×1)
B級BL形 20B形 中形(20W×1)
C級 C級 10形 小形(10W×1)

(参考文献:(消防法施行令第26条、消防法施行規則第28条の3、消防予第245号(平成11年9月21日))

誘導灯認定証標について
岩崎電気の誘導灯は、消防庁登録認定機関である(社)日本電気協会のJFA誘導灯認定委員会の認定に合格し、図11.1に示す認定証票を貼付しています。

表11.2 誘導灯の種類(電池内蔵形)

取付場所 天井
取付方法 直付形 埋込形 直付形 埋込形 吊下形
タイプ/器具姿図

電池内蔵形 一般形

避
通

C級 片面形 HMSJ
210C
HMSE
210C
HMSJ
210C
HMSP
J210C
HMSJ
210C
両面形 HMSK
220C
HMSP
K220C
HMSK
220C
B級BL形 片面形 HMSJ
310BL
HMSE
310BL
HMSJ
310BL
HMSPJ
310BL
HMSJ
310BL
両面形 HMSK
320BL
HMSPK
320BL
HMSK
320BL
B級BH形 片面形 HMSJ
310BH
HMSE
310BH
HMSJ
310BH
HMSPJ
310BH
HMSJ
310BH
両面形 HMSK
320BH
HMSPK
320BH
HMSK
320BH
A級 片面形 HMJ
340A
HME
340A
HMJ
340A
HMJ
340A
両面形 HMK
380A
HMK
380A
長時間定格形 B級BL形 片面形 HMSJL
310BL
HMSJL
310BL
HMSJL
310BL
両面形 HMSKL
320BL
HMSKL
320BL
B級BH形 片面形 HMSJL
310BH
HMSJL
310BH
HMSJL
310BH
両面形 HMSKL
320BH
HMSKL
320BH
点滅形

避

B級BL形 片面形 HMSJF
310BL
HMSEF
310BL
HMSJF
310BL
HMSPJF
310BL
HMSJF
310BL
両面形 HMSKF
320BL
HMSPKF
320BL
HMSKF
320BL
B級BH形 片面形 HMSJF
310BH
HMSEF
310BH
HMSJF
310BH
HMSPJF
310BH
HMSJF
310BH
両面形 HMSKF
320BH
HMSPKF
320BH
HMSKF
320BH
長時間定格形 B級BL形 片面形 HMSJLF
310BL
HMSELF
310BL
HMSJLF
310BL
HMSJLF
310BL
B級BH形 片面形 HMSJLF
310BH
HMSELF
310BH
HMSJLF
310BH
HMSJLF
310BH
誘導音付点滅形

避
通

B級BL形 片面形 HMSJV
310BL
HMSEV
310BL
HMSJV
310BL
HMSJV
310BL
両面形 HMSKV
320BL
HMSKV
320BL
B級BH形 片面形 HMSJV
310BL
HMSEV
310BL
HMSJV
310BH
HMSJV
310BH
両面形 HMSKV
320BH
HMSKV
320BH
防水形

避
通

C級 片面形 HMSJR
210C
HMSJR
210C
HMSJR
210C
両面形 HMSKR
220C
HMSKR
220C
B級BL形 片面形 HMSJR
310BL
HMSJR
310BL
HMSJR
310BL
両面形 HMSKR
320BL
HMSKR
320BL
B級BH形 片面形 HMSJR
310BH
HMSJR
310BH
HMSJR
310BH
両面形 HMSKR
320BH
HMSKR
320BH
クリーンルーム

避
通

B級BL形 片面形 HMSEC
310BL
  • 避避難口誘導灯
  • 通通路誘導灯

表11.3 誘導灯の種類(電池別置形)

取付場所 天井
取付方法 直付形 埋込形 直付形 埋込形 吊下形
タイプ/器具姿図

電池別置形 一般形

避
通

C級 片面形 HMCJ210C HMCE210C HMCJ210C HMCJ210C
両面形 HMCK220C HMCK220C
B級BL形 片面形 HMCJ310BL HMCE310BL HMCJ310BL HMCJ310BL
両面形 HMCK320BL HMCK320BL
B級BH形 片面形 HMCJ310BH HMCE310BH HMCJ310BH HMCJ310BH
両面形 HMCK320BH HMCK320BH
  • 避避難口誘導灯
  • 通通路誘導灯

表11.4 誘導灯の種類(床埋込形)

取付場所
取付方法 埋込形

電池内蔵形 一般形 C級 片面形 HMSL220C

(4)誘導灯の設置基準

誘導灯の設置基準は「消防法施行規則第28条の3」により次のように定められています(表11.5、表11.6)。

表11.5 誘導灯の設置基準

(参考文献:(消防法施行令第26条、消防法施行規則第28条の3、消防予第245号(平成11年9月21日))(平成15年10月1日一部改正)

  • ※1:(1)項イ、(4)項、(5)項イ、(9)項イに掲げる防火対象物の用途に供されているものを除きます。
  • ※2:上表は消防法に規定する防火対象物を抜粋しています。(16)項イ(複合防火対象物)、(16の3)項(建築物の地階)のなかで誘導灯の設置を考える際、(5)項イ、(6)項は避難口・通路誘導灯ともにC級以上がご使用になれます。
全部その建物のどの階にあっても設置
地階その建物の地階部分だけに設置
11階以上その建物の11階以上の部分だけに設置
無窓階建築物の地上階のうち避難上または、消火活動上有効な開口部を有しない階
  • 避難口A級 避難口B級BH形、又はB級BL形+点滅式
  • 避難口C級以上 (避難の方向を示す矢印を有するものはB級以上)
  • 通路A級 通路B級BH形
  • 通路C級以上

表11.6 誘導灯別の有効範囲

区分 (ア)方式 (イ)方式
表示面縦寸法h(m) 距離(m) 歩行距離:D=kh K(係数) 表示面縦寸法h(m)
避難口誘導灯 A級 避難の方向を示すシンボルのないもの 0.4 60 Dは歩行距離(m)
hは表示板の縦寸法(m)
kは区分に応じた係数
150 表示面の縦寸法は器具により異なりますので承認図より求めてください
避難の方向を示すシンボルのあるもの 40 100
B級 避難の方向を示すシンボルのないもの 0.2 30 150
避難の方向を示すシンボルのあるもの 20 100
C級 避難の方向を示すシンボルのないもの 0.1 15 150
通路誘導灯 A級 0.4 20 50
B級 0.2 15
C級 0.13 10
  • ※1: 避難口誘導灯及び通路誘導灯の有効範囲は、原則として、当該誘導灯までの歩行距離が上表の中の(ア)又は(イ)に定める距離のうちいずれかの距離以下となる範囲とされていること。この場合において、いずれの方法によるかは、設置者の選択によるものであること。ただし当該誘導灯を容易に見とおすことのできない場合又は識別することができない場合にあっては、当該誘導灯までの歩行距離が10メートル以下になる範囲とする。
  • ※2: 避難口誘導灯のうちC級のものについては、避難口であることを示すシンボルについて一定の大きさを確保する観点から、避難の方向を示すシンボルの併記は認められていない(誘導灯告示、第4第1号(六)イただし書き)。

(参考文献:(消防法施行令第26条、消防法施行規則第28条の3、消防予第245号(平成11年9月21日))(平成15年10月1日一部改正))

(5)誘導灯、誘導標識の取付が免除される建物

消防法施工規則第28条の2により次のように定められています。

5.1 誘導灯、誘導標識の設置を必要としない防火対象物又はその部分

5.1.1 避難口誘導灯の設置が除外される場合

居室か各部分から主要な避難口を、容易に見通し識別できる場合で、その歩行距離が下図の距離以下の時は設置しなくてもよい。

図11.2 避難口誘導灯の設置が除外される場合

5.1.2 通路誘導灯

主要な避難口を容易に見通し、かつ識別できる場合でその歩行距離が下図の時以下の場合は設置しなくてもよい。

図11.3 通路誘導灯の設置が除外される場合

階段又は傾斜路のうち、非常灯により避難上必要な照度が確保され、避難の方向の確認(当該階の表示等ができる場合)ができる場合、通路誘導灯は不要。

図11.4 通路誘導灯の設置が除外される場合

廊下または通路の各部分が、避難口誘導灯の有効範囲に包有される場合、通路誘導灯は不要。

図11.5 通路誘導灯の設置が除外される場合

5.1.2 避難口誘導灯の設置を必要としない居室の要件

規則第28条の3第3項第1号(ハ)の消防庁長官が定める居室は、室内の各部分から当該居室の出入口を容易に見通し、かつ、識別できるもので、床面積が100m²(主として防火対象物の関係者及び関係者に雇用されている者の使用に供するものにあっては400m²)以下であるとする。

図11.6 避難口誘導灯の設置を必要としない居室の要件

表11.7 誘導灯、誘導標識の取付が免除される建物

  • ※1:(1)項イ、(4)項、(5)イ、(9)項イに掲げる防火対象物の用途に供されているものを除きます。
  • ※2:上表は消防法に規定する防火対象物を抜粋しています。(16)項イ(複合防火対象物)、(16の3)項(建築物の地階)の中で誘導灯の設置を考える際、(5)イ、(6)項は避難口、通路誘導灯ともにC級以上がご使用になれます。
  • ※3:「非常用の照明装置」により避難上必要な照度が確保されるとともに、避難の方向の確認(当該階の表示等)ができる場合には通路誘導灯の設置を要しない。

(参考文献:(消防法施行規則第28条の2、平成11年消防法告示第2号消防予第245号(平成11年9月21日))

(6)避難誘導灯の設置

避難口誘導灯は、下記(ⅰ)(ⅱ)(ⅲ)(ⅳ)の避難口の上部またはその直近の避難上有効な箇所に設けます(表11.8)。

表11.8 避難口誘導灯の設置条件

(ⅰ)屋内から直接地上へ通ずる出入口
(附室が設けられている場合にあっては、当該附室の出入口)

(ⅱ)直通階段の出入口
(附室が設けられている場合にあっては、当該附室の出入口)

(ⅲ)(ⅰ)又は(ⅱ)に掲げる避難口に通ずる廊下、又は通路に通ずる出入口
(室内の各部分から容易に避難することができるものとして消防庁長官が定める居室の出入口を除く)

(ⅳ)(ⅰ)又は(ⅱ)に掲げる避難口に通ずる廊下、又は通路に設ける防火戸で直接手で開くことができるもの(くぐり戸付き防火シャッターを含む)がある場所
(自動火災報知設備の感知器の作動と連動して閉鎖する防火戸に誘導標識が設けられ、かつ、当該誘導標識を識別することができる照度が確保されるように非常照明が設けられている場合を除く)

(参考文献:(消防法施行規則28条の3))

(7)通路誘導灯の設置

通路誘導灯は、下記(ⅰ)(ⅱ)(ⅲ)(ⅳ)に設けます(表11.9)。

表11.9 通路誘導灯の設置条件

(ⅰ)曲がり角
曲がり角があれば曲がり角に通路誘導灯を設ける。

(ⅱ)主要な避難口
前項(ⅰ)(ⅱ)に設ける避難口誘導灯の有効範囲内の箇所に、通路誘導灯を設ける。

(ⅲ)廊下又は通路の各部分を通路誘導灯の有効範囲内に包含するように通路誘導灯を設ける。

(ⅳ)通路誘導灯間の配置

(参考文献:(消防法施行規則28条の3、消防予245号(平成11年9月21日)))

(8)誘導灯の消灯(消防法施行規則第28条の3、平成11年消防法告示第2号消防予第245号(平成11年9月21日)

当該防火対象物が無人である場合、以下に挙げる場所に設置する場合であって、自動火災報知設備の作動と連動して点灯し、かつ、当該場所の利用形態に応じて点灯するように措置されているときは消灯可能です。

  • 外光により避難口又は避難の方向が識別できる場所
  • 利用形態により特に暗さが必要とされる場所
  • 「解説」遊園地のアトラクション、劇場、映画館、プラネタリウム
  • 主として当該防火対象物の関係者に雇用されている者の使用に供する場所

(9)点滅・音声付加点滅誘導灯の設置

誘導灯に設ける点滅機能又は音声誘導機能は、以下に定めるものとします。

  • 表11.10(イ)又は(ロ)に掲げる避難口に設置する避難口誘導灯以外の誘導灯に設けてはならない
  • 自動火災報知設備の感知器と連動して起動すること
  • 避難口から避難する方向に設けられている火災報知設備の感知器が作動したときは、当該避難口に設けられた誘導灯の点滅及び音声誘導が停止すること
  • 音声警報装置付の非常放送設備と併せて使用する際の誘導音装置付誘導灯の音圧レベルは、当該装置の中心から1m離れた位置で70dBに調整されていること

表11.10 点滅・音声付加点滅誘導灯の設置

(イ)屋内から直接地上へ通ずる出入口
(附室が設けられている場合にあっては、当該附室の出入口)

(ロ)直通階段の出入口
(附室が設けられている場合にあっては、当該附室の出入口)

(参考文献:(消防法施行規則第28条の3、平成11年消防法告示第2号消防予第245号(平成11年9月21日)

9.1 点滅・音声付加点滅誘導灯のシステム例

小規模防火対象物のシステム例(一斉動作)

<動作>

  • 始動
    火災が発生すると、自動火災報知器からの火災信号を誘導灯用信号装置が受け、全館の点滅形音声誘導灯が一斉に動作開始します。
  • 停止
    直下階の階段室に設置された煙感知器が煙を感知すると、接続された誘導灯以上の階の点滅・誘導音は停止します。ただし地階の煙感知器が煙を感知した場合は、全地下階の誘導灯の作動を停止。この際、最終避難口となる1階の誘導灯は煙感知器の動作にかかわらず停止しません。

図11.7 小規模防火対象物のシステム例

中・大規模防火対象物のシステム例(階別区分動作・専用煙感知器による方法)

<動作>

  • 始動
    火災が発生すると、出火階に取付けられた火災感知器が動作。火災信号が自火報受信機に伝えられ、出火階とその直上階の地区音響装置(火報ベル)が鳴動します。同時に、火災信号は誘導灯信号装置に伝えられ、出火階とその直上階の点滅形音声誘導灯が動作を開始します。
  • 停止
    火災が拡大し階段に煙が侵入すると、階段室に設けられた煙感知器が動作。接続された誘導灯以上の階の点滅・誘導音はすべて停止します。ただし地下階の場合は、地下1階に設けた煙感知器により、全地下階の誘導灯の動作を停止。1階の誘導灯については、動作中であっても停止しません。

図11.8 中・大規模防火対象物のシステム例
(階別区分動作・専用煙感知器による方法)

中・大規模防火対象物のシステム例(階別区分動作・自火報用煙感知器を兼用する方法)

<動作>

  • 始動
    (階別区分動作の専用煙感知器による方法と同じ)
  • 停止
    火災が拡大し階段に煙が侵入すると、響戒区域の階段室に設けた自火報用煙感知器からの火災信号と、誘導灯を始動させた出火階の警戒区域からの火災信号とを、誘導灯信号装置内で分析。危険な状態と判断した場合、出火階以上の誘導灯の点滅・誘導音はすべて停止します。また、地下のどの階からの出火であっても、同様に階段が危険な状態になった場合には、全地下階の誘導灯の動作を停止します。

動作停止をしない場所

  • 最終避難口およびその附室の出入口
    (規則28条の3第1項第1号のイ)
  • 屋外階段の階段室およびその附室の出入口
  • 開放階段(昭和48年消防告示第10号に規定する開口部を有するもの)の出入口または、その附室の出入口
  • 特別避難階段(建築基準法施行令第123条第3項)の出入口およびその附室の出入口

図11.9 中・大規模防火対象物のシステム例
(階別区分動作・自火報用煙感知器を兼用する方法)

  • ご注意 点滅形音声誘導灯は、システム例のように、必ず火災報知設備と連動させて使用してください。従来の誘導灯のような単独使用はできませんのでご注意ください。

(10)誘導灯用信号装置

誘導灯用信号装置は点滅形音声誘導灯、点滅形誘導灯、減光誘導灯の誘導音、点滅、減光の動作を行う場合や誘導灯を消灯させる場合に自動火災報知設備と連動して誘導灯を制御する装置です。機能に応じて3タイプの信号装置があります(表11.11)。

表11.11 種類と機能一覧

誘導灯信号装置機能一覧
機能/形名 点滅・消灯用信号装置MS13
(3線式)
誘導音付加点滅形誘導用信号
装置MS14
誘導音付加点滅形誘導用信号装置
(階別区分<25回路>動作用)
MS-25002

3線式誘導灯への配線を3線引で消灯させることができ、既設の配線でも配線替え(2線-3線)が可能な場合、この3線式信号を使用すると機器設備費が低減されます。自動火災報知器からの信号を中継し、火災時には誘導灯を一括点灯させる信号を出します。手動スイッチによる消灯信号のほか施錠(照明)連動スイッチ・フォトスイッチ(光電式自動点滅器)とを連動させた自動による消灯信号が出せます。点滅形と組合せて使用することも可能です。 自動火災報知器受信機から得た火災信号により、全館の誘導音と点滅を一斉に同時動作させます。また、非常放送が入った場合、自動的に誘導音を停止させる機能を付加しています。誘導音付加点滅形誘導灯と組合せて、一般誘導灯を手動・施錠・照明・外光との連動により消灯・点灯させる際にも利用できる多機能形です。 自動火災報知器の地区ベルが出火階および直上階鳴動としている場合、誘導音及び点滅動作も同様に出火階及び直上階に限定して動作させます。この場合、自動火災報知器受信機には各階の警戒区域別に移報端子を設け、それぞれ信号装置を経由した火災信号により、出火階とその直上階についてのみ、誘導灯の誘導音および点滅を同時に動作させます。消灯は一般誘導灯を手動・施錠・照明・外光との連動により消灯・点灯させる際にも利用できる多機能形です。
消灯 手動
施錠
照明
外光 -
点滅
誘導音+点滅 停電保障 -
区分鳴動 - -
点滅形および誘導音付加点滅形適合器具
  • 点滅形
    • HMSJF310BL(H)
    • HMSJLF310BL(H)
    • HMSKF320BL(H)
    • HMSELF310BL(H)
    • HMSEF310BL(H)
  • 点滅形
    • HMSJF310BL(H)
    • HMSJLF310BL(H)
    • HMSKF320BL(H)
    • HMSELF310BL(H)
    • HMSEF310BL(H)
  • 誘導音付加点滅形
    • HMSJV310BL(H)
    • HMSKV320BL(H)
    • HMSEV310BL(H)

(11)長時間(60分)形誘導灯の設置

防火対象物のうち以下に示すいずれかに該当する場合で表11.12(イ)及び(ロ)に掲げる避難口、避難階の(イ)に通ずる廊下及び通路並びに直通階段に設けるものにあたっては非常電源の容量を60分とすること(20分を超える時間における作動に係る容量にあっては、自家発電によるものを含む。

  • 延べ面積50000(m²)以上
  • 地下を除く階数が15階以上、かつ、延べ面積30000(m²)以上
  • 地下街で延べ面積1000(m²)以上

表11.12 長時間(60分)形誘導灯の設置

(イ)屋内から直接地上へ通ずる出入口
(附室が設けられている場合にあっては、当該附室の出入口)
(ロ)直通階段の出入口
(附室が設けられている場合にあっては、当該附室の出入口)

(参考文献:(消防法施行規則第28条の3、平成11年消防法告示第2号消防予第245号(平成11年9月21日)

(12)誘導灯の配線方法

12.1 電池内蔵型の場合

電池内蔵型誘導灯の配線工事は、電気工作物にかかわる法令によって工事するほか次に従ってください(電池内蔵型のため、耐火規制は受けません)。ただし、誘導灯を消灯する場合や減光する場合の配線は、下図によって工事をしてください。

  • 誘導灯を一般用電気配線に接続しないでください。
  • 分電盤からの直接回路とし、途中に一般の人が容易に開閉できるようなスイッチを設けないでください。
  • 消防法では、2線式が原則となっていますので、この配線方法で結線してください。
  • 口出線の赤と黒を一括し、白と赤・黒間に電源を印加してください。

  • 採用する場合は、所轄の消防庁(署)の指導を受けてください。
  • 口出線の白と黒間に電源を印加し、黒と赤間にスイッチを入れてください。

この場合、蛍光ランプを点滅しても蓄電池には充電されているので非常時(停電時)には自動的に蓄電池で非常点灯します。

図11.10 誘導灯の配線方法(電池内蔵型)

  • 絶対にしてはいけない結線
    3線配線方式の場合、機器を損傷するおそれがありますから、図11.11のような結線は行わないでください。

図11.11 誘導灯で行ってはいけない結線

12.2 電源別置型の場合

  • 別置の蓄電池設備と電源別置型誘導灯間の配線は耐火配線((注)参照)としてください。
  • 専用回線とし、途中に一般の人が容易に開閉できるようなスイッチを設けないでください。
  • 電源別置型誘導灯の電源線(白、黒、赤、青)は図11.12のように結線してください。
  • ※注 耐火配線:耐熱C種配線(Fc)のことで、840℃で30分の耐熱試験に耐える耐火措置をした配線を意味しますが、施工場所や使用電源により、耐火措置の方法が異なります。

器具への配線は4線配線でお願いします。

電源別置形器具の直流点灯(DC100V)は、非常時のみとしてください。平常時にも直流で長時間連続点灯しますと、ランプが短寿命になるばかりでなく、点灯ユニットに異常を生じますので絶対におやめください。誘導灯の非常電源は蓄電池に限定されていますので発電機は使用できません。

図11.12 誘導灯の配線方法(電池別置型)

12.3 耐熱配線について

12.3.1 耐熱配線の種別
  1. 耐熱A種配線(FA)
    JIS A 1304 「建築構造部分の耐火試験方法」に規定する加熱温度(昭和44年建設省告示第2999号の規定に同じ)に従った加熱曲線(火災温度曲線ともいう)の約1/8の曲線に従って30分(この時の温度は110℃)加熱を行い、この間異常なく通電できる性能(「110℃の耐熱性能」という)を有する配線のことです。
  2. 耐熱B種配線(FB)
    加熱曲線の1/3の曲線に従って30分(この時の温度は280℃)加熱を行い、この間異常なく通電できる性能(「280℃の耐熱性能」という)を有する配線のことです。
  3. 耐熱C種配線(Fc)
    加熱曲線に従って30分(この時の温度は840℃)加熱を行い、この間異常なく通電できる性能(「840℃の耐熱性能」という)を有する配線のことです。

図11.13 耐熱配線の加熱曲線
(参考文献JIS A 1304 「建築構造部分の耐火試験方法」)

12.3.2 耐熱配線の選定

耐熱配線は施設場所の耐熱性と配線の耐熱性能とを考慮して決めなければなりません。防災設備および施設場所に応じた耐熱配線の選定を表11.13に示します。

表11.13 配線の選定例

適用場所 天井下地、天井仕上材などが不燃材料以外で造られた天井裏および露出場所 天井下地、天井仕上材などが不燃材料で造られた天井裏 不燃材料で区画された機械室等 耐火区画室
適用場所 回路種別
誘導灯 電源 FC FC FA -
非常用の照明装置 電源 幹線 FC FC - FA
分岐 FC FA※1
操作※2 FB FA
非常用の進入口 電源 FC FC
  • ※1:表中のFAのものは、FB、FCを使用してもよい。FBのものはFCを使用してもよい。
  • ※2:操作とは、表示、警報回路を含む。廊下および階段はFBが望ましい。
12.3.3 耐熱配線の選定

耐熱配線は、使用する電線の種頬、工事種別、耐熱処理、電線の保護および支持材料の組合わせによって表11.14のようになります。

表11.14 耐熱配線の種類

耐熱処理 熱処理 耐火構造の主要構造部に20mm以上埋設された管路 耐熱保護材を用いた工法
耐火被覆板※1または耐火被覆材でおおわれたもの、ラス金網を巻き、モルタル20mm以上塗布したもの けい酸力ルシウム保温筒(25mm以上)に石綿クロスを巻いたもの ロックウール保温筒(25mm以上)を巻いたもの ロックウールフェルトまたはロックウール保温板(40mm以上)処理
工事種別 電線の種類/電線の保護および支持材 ケーブルラック、サドル止め、金属管、ニ種金属製可とう電線管ほか 金属管、合成樹脂菅、ニ種金属製可とう電線管 金属管、金属ダク卜 金属管 金属管 ケーブルピット(耐火構造の床に設けるもの)
ケーブル工事 耐火電線(耐火ケーブル) Fc※4 Fc - - - Fc※2
Mlケーブル Fc - - - -
耐熱電線 FB Fc Fc Fc Fc Fc
架橋ポリエチレンケ-ブル FB※6
金属管工事
可とう電線管工事
金属ダクト工事
合成樹脂管工事
架橋ポリエチレン
絶縁電線
けい素ゴム絶縁電線
ふっ素樹脂絶縁電線
ハイパロン絶縁電線
FB※5 Fc Fc Fc Fc -
二種ビニル絶縁電線 FA※5 Fc Fc FB FB -
バスダクト工事 耐火性を有するバスダクト Fc × - - - -
バスダクト FB × Fc※3 - - -
  • ※備考:× 施工不能。一使用しない。
  • ※注1:耐火被覆板とは、石綿けい酸カルシウム板等をいい、耐火被覆材とは吹付けロックウール等をいいます。
  • ※注2:ロックウールフェルトによる耐熱処理は不要です。
  • ※注3:耐火被覆板で覆ったもの。
  • ※注4:金属管および金属ダクトに収める耐火電線は、電線管用耐火電線を使用します。
  • ※注5:金属管または金属ダクト工事に限ります。ただし、電動機等の機器に接続する短少な部分は、表中の電線を用い二種可とう電線管工事とすることができます。
  • ※注6:消防用設備の配線に用いる場合で、耐火性能を有する電気配線シャフトに他の配線と15cm以上隔離して施設する場合以外は、金属管、二種可とう電線管で保護したものに限ります。
12.3.4 電線の種類

耐熱配線に使用できる電線は、二種ビニル絶縁電線と同等以上の耐熱性能を有する電線とされています。主に使用される電線の規格等を表11.15に示します。

表11.15 耐熱配線の種類

電線の種類 記号 定格電圧(V) 最高使用温度(℃) 規格
絶縁電線 架橋ポリエチレン絶縁電線 IC 600 90 JCS 360
二種ビニル絶縁電線 HIV 600 75 JIS C 3317
ハイパロン絶縁電線 IH 600、3300 95  
ふっ素樹脂絶縁電線   600 200  
けい素ゴム絶縁(ガラス編組)電線 IK(KGB) 600 180 JIS C 3323
ケーブル 架橋ポリエチレンケーブル CE、CV 600、3300、6600 90 JIS C 3605
JIS C 3606
M-ケーブル MI 300、600   昭和40年通商産業省告示第271号第5条
耐熱電線※1 HP 60    
耐火電線※1 露出用 FP 600、3300、6600 75、90  
電線管用 FP-C
バスダクト 耐火性能を有するバスダクト※2   600 60、75、80、90、95 JIS C 8364
バスダクト   600 60、75、80、90、95  
  • ※1:(株)日本電線工業会耐火・耐熱認定業務委員会の認定マーク(JCMA)のあるもの。
  • ※2:(株)日本電線工業協会では耐火性を有するバスダクトの審査承認業務を行っています。

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