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岩崎電気株式会社
EYE LATEST NEWS VOL.328

2022/10/19

目立つ服装で交通安全
明るい時、暗い時の見え方 ほか

こんにちは。岩崎電気です。
10月といえば、4月始まりの年度では後半戦の始まり。衣替えの時期でもありますね。
コートが欲しいくらいの日もあれば、上着を脱ぎたい暑さの日もあり、毎日の天気予報チェックが欠かせません。
本日は、日暮れがどんどん早くなるこれからの季節に大切なお話です。


目次


目立つ服装で交通安全

先日、トヨタ・モビリティ基金さまとJA共済連さまにより、ドライバーから見た歩行者の服装の見えやすさをチェックするソフトウェア「見えチェック」が開発されました。
「見えチェック」には、岩崎電気の光環境評価システム「クオピクス」の技術が応用されています。

交通量は昼間の方が多く、事故が起きやすそうなイメージですが、夜間もほぼ同じくらい発生しており、
歩行者の死亡事故にいたっては、夜間の方が多く発生しています。
(警察庁2021年統計より)

夜間の事故を防ぐには、ドライバーが歩行者に対して細心の注意を払うことに加え、歩行者を発見しやすい視環境が必要です。
歩行者を発見しやすい視環境の実現には適切な道路照明の設置も重要な役目を担いますが、
歩行者自身が目立つ服装をしていることも大切です。

自動車が時速50kmで走行中、安全に停止できる距離は約32mになるそうです。
片やヘッドライトをつけた走行時、黒っぽい服装の歩行者を発見できるのは約26mの距離になります。
明るい服装ならば約38mで、反射材をつけていれば約57m以上でも発見できます。
(日本反射材普及協会webサイトより)

普段から明るい服装をするのが安心ですが、特に夜の時間が長くなる冬の季節、
スーツやコートなど、どうしても黒っぽい服装になりがちです。
反射材のついている肩掛けベルトつき鞄など、非常に有効だと思います。
悲しい事故を防ぐために、意識して対策してくださいね。

今回活用されている光環境評価システム「クオピクス」。
交通安全に寄与するだけでなく、無駄なエネルギーを減らし、重要な対象物を目立たせるための明かりの評価に、さまざまな領域で活躍しています。

照明設計のご検討時、既存照明の評価時にも是非ご活用をご検討ください。


[光技術Tips]
明るい時、暗い時の見え方

今回は、夜間の交通事故を防ぐ、明るい服装についてお伝えしましたが、
実は、人間の目には周囲の明るさによって見えやすい色、見えにくい色が存在します。

明るい時、光を感じることができる範囲は380nm(ナノメートル)から780nmで、
色では紫から赤に相当します。
もっとも見えやすいのが550nm付近の黄緑から黄色です。(明所視)
今回の「見えチェック」のサンプルにて黄色の洋服が採用されているのも納得ですね。

比視感度曲線(明所視)

暗い時は、ピークが507nm付近になり、明るい時よく見えていた黄色が少なくなってるのがわかります。(暗所視)
ただし、暗所視では色の認識はできないので、深緑付近は色としてはわからず、目立つモノクロームとして認識します。

比視感度曲線(暗所視)

なおここでいう明るい時とは約5cd/m²(カンデラ毎平方メートル)以上、暗い時とは約0.005cd/m²以下、その間は薄明視といい、明所視と暗所視を組み合わせたような見え方をします。(CIE 191:2010)

上記のグラフにより、暗所視では赤色より青色がよく認識できるので、明暗の中間である薄明視では、色温度の高い(寒色)光源の方が、低い(暖色)光源より明るく見えることになります。
一方、色温度の高い光源の方が不快なまぶしさを感じやすくなるので、明るさだけを求め色温度を選択してしまうと問題が生じることになります。

照明設計や評価は、さまざまな要素が複雑に絡み合う、大変な分野なのですね。


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編集後記

毎年10月21日は「あかりの日」。
エジソンが実用的な白熱電球の長時間点灯を成功させた記念日です。
今年は、電力需給ひっ迫だけでなく、公共料金値上げなどもあり、
節電がいつも以上に大事な冬を迎えようとしています。
本格的な寒さが到来する前に、電気やあかりについて考える日になればよいなと思います。

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