小型・軽量・低価格の新型コンパクトEBラボ機発売

2016年10月20日

コンパクトEBラボ機
小型・軽量・低価格の新型コンパクトEBラボ機「EC90/10/50L」

岩崎電気株式会社は、電子線(EB)を照射する実験装置、小型・軽量・低価格の新型コンパクトEBラボ機「EC90/10/50L」を2016年10月20日から発売します。

エネルギー線の一種である電子線を照射して素材の硬化・強度アップ・高機能化・滅菌などを行うEBシステムは、様々な用途で活用されています。

それらの先端素材を生み出すための研究・開発には、EBラボ機(実験装置)が不可欠ですが、購入価格が高く設置スペースも大きいため、簡単に導入しづらいという問題がありました。

新型コンパクトEBラボ機「EC90/10/50L」は、実験装置の設計を大幅に見直し、電子線の浸透の深さに影響する加速電圧や必要なビーム電流を制限することで低価格化を実現しました。※1

さらに、標準機と比較して容積を1/5以下※2、重量を1/6以下※3まで小型・軽量化し、キャスター移動することも可能になりました。

実験装置の低価格化と小型・軽量化を実現させたことで、材料開発やプロセス開発に必要なEB実験環境の整備がより実現しやすくなりました。

企業の研究開発部門や公的試験機関での素材の表面加工や殺菌の研究、先端素材の開発スピードを加速させることに貢献します。

また、セルフシールド(自己遮蔽)構造※4やインターロック※5を採用して安全性も向上。

高電圧電源には、温室効果ガス(SF6)※6を使用しない環境に優しい構造になっています。

最大照射線量500kGyの高出力で、UV(紫外線)硬化や熱硬化と比較して瞬時に処理ができます。

小型・軽量・低価格の新型コンパクトEBラボ機「EC90/10/50L」を導入することで、樹脂・塗料・インク・コーティングなどのEBを活用する事業の研究拡大に弾みをつけ、ビジネスチャンスを広げることが可能になります。

新型コンパクトEBラボ機「EC90/10/50L」の主な特徴

  1. 装置本体価格を低コスト化
  2. キャスター移動も可能な小型・軽量化を実現
  3. セルフシールド(自己遮蔽)構造、インターロックを採用して安全性を向上(管理区域の設定不要、文部科学省設置認可不要※7)
  4. タッチパネル操作で条件設定も簡単
  5. 温室効果ガス(SF6)を不使用
  6. 最大照射線量500kGyの高出力(加速電圧により異なります)

※EBシステムについて詳しくは硬化・架橋・重合システム - EB(電子線)を参照願います。

RadTech Asia2016に出展します

UV・EB硬化技術の国際会議である「RadTech Asia2016」に新型コンパクトEBラボ機「EC90/10/50L」の実機を初出展します。

開催期間
2016年10月25日(火)~27日(木)
展示会名
RadTech Asia 2016(第14回紫外線・電子線硬化技術国際会議)
会場
ヒルトン東京お台場(旧 ホテル日航東京) 東京都港区台場1-9-1

標準機とコンパクトEBラボ機の比較

  • A標準機「EC250/15/180L」
  • BコンパクトEBラボ機「EC90/10/50L」

重量

  • A3500kg
  • B450kg

重量6分の1以下

容積(外形寸法)

  • A7m³ (W1750 × D2000 × H2000mm)
  • B1.24m³ (W845 × D915 × H1600mm)

容積5分の1以下

処理能力

  • A1800kGy・m/min.
  • B500kGy・m/min.

必要十分な性能を保持


新型コンパクトEBラボ機「EC90/10/50L」基本仕様

型式EC90/10/50L
加速電圧50~90kV
ビーム電流0.1~2mA
有効照射幅100mm
処理能力500kGy・m/min.

※加速電圧90kV時 (当社測定方法による)

照射方法トレイによるバッチ処理
トレイ搬送速度1~15m/min.
使用電源単相200V
必要ユーティリティ冷却水、圧縮空気、窒素ガスまたはドライエアー
外形寸法W845 × D915 × H1600mm
重量450kg
主なオプション酸素濃度計、冷却水循環装置

  • ※1:本体参考価格による概算比較です。オプションの有無、詳細設計により異なります。設置調整費等は含みません。
  • ※2:標準機「EC250/15/180L」の本体:W1750 × D2000 × H2000mmと新型コンパクトEBラボ機「EC90/10/50L」の本体:W845 × D915 × H1600mmの比較。
  • ※3:標準機「EC250/15/180L」の重量:約3500kgと新型コンパクトEBラボ機「EC90/10/50L」の重量:450kgの比較。
  • ※4:二次的に発生するエックス線を遮断する安全システム。利用に際しての資格者、認可が不要です。
  • ※5:試材をセットした場合、ロックがかからないと稼動しない安全システム。
  • ※6:ガス絶縁開閉装置や変圧器で多用されているSF6(六フッ化硫黄)は、管理が義務付けられた温室効果ガスのひとつですがEBコンパクトラボ機「EC90/10/50L」は使用していません。
  • ※7:設置工事開始の30日前までにEB装置が設置される場所の所轄労働基準監督署に対しての届出は必要となります。(労働安全衛生法第88条、労働安全衛生規則第85条)

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